SONYのブルーレイメディア生産終了によせて(もしくはTS抜き録画のギモン解消の一助)

<<最初に>>

当然ですが、テレビから録画したファイルを個人的に視聴する以外の違法な利用はNGです。そのような行為は行っておりませんし、他人に推奨する意図も全く有りません。ご理解の上、お読みください。

2025/1/23に SONY がブルーレイメディアの生産終了を発表しました。
「このストリーミング全盛の時代に今だにテレビ番組をブルーレイなんかで録画しているの?」という声は置いといて、番組を録画して自分でライブラリを作成することを趣味としている人にとっては、危機感を覚えるニュースでしょう。
もっとも、ほぼ 2年前の 2023/1/24 に Panasonic がメディアの生産終了を発表した時点で、日本製のブルーレイメディアが入手しづらくなり、ほぼ終わってたと言えなくもないですが…
自分も、以前は複数のブルーレイレコーダーを駆使してせっせとディスクを焼くのに腐心していましたが、数年前に見切りをつけ、いわゆるTS抜きチューナーでの録画に移行して、ブルーレイでの録画はほぼ行わなくなりました。別にコピーワンスやダビング10に反抗とか、そういう気はさらさらなかったのですが、移行してみると快適そのもので、もっと早くこうすればよかったと思っています。

その主なメリットですが…

1. 市販のハードディスクにライブラリを作成できる

TS抜きチューナーで録画したデータは、パソコンのハードディスクやNASに保存できます。ブルーレイディスクよりも大容量で、価格も安価です。また書き換えも容易です。

2. バックアップが自由でメディアの破壊により録画内容を失う危険が減る

ハードディスクに保存されたデータは、簡単にコピーしてバックアップを作成できます。
私は録画ファイル以外も、PCのデータディスクは、必ず2つのディスクにデュプリケートして保管するようにしているので、万が一ハードディスクが一台故障しても、もう一台からほぼリカバリが効きます。

3. 様々な機器で自由に再生できる

TS抜きチューナーで録画したデータは、パソコンだけでなく、スマートフォン、タブレット、など、様々なデバイスで再生できます。また、ネットワーク経由でテレビにキャストすることも可能です。

とはいえ、私も TS抜きチューナーを使い始める前は、いろいろな疑問や誤解がありました。
以下、とりあえずそういう「やる前の疑問」的なことにいくつか答えられればと思います。
別に「TS抜きサイコー」とか言うつもりは全く有りませんが、チューナーの新製品も出にくくなっているのも事実で、ブルーレイに続いてTS抜きの文化も世間から消えちゃうといろいろ困るので、ユーザーが増えるとメーカーもまた増産したりするかな?というスケベ心も少しだけあります
(なお、TS抜きチューナーの設定方法については、詳しく解説したページがいくつもありますので、そちらを参照いただければ…)

(Q1) 現在メーカ製のレコーダーを使用しているが、同様なことができるのか?

完全に同じというわけではありませんが。ほぼできます。
具体的には
・タイマーによるテレビ番組自動録画(毎週、毎日など定期録画可)すること(作成されるのはTSファイル)
・(必要なら)ディスク容量節約のため、mp4形式などにエンコードすること
・(必要なら)エンコード後のファイルを、NASなどに自動コピーすること
 これらを全自動で実施できます。

(Q2) 必要な機器は?

(1) PC (Windows or Linux)本体
(2) TS抜きに対応したTVチューナー
<※現在、安定して入手可能なチューナーは、ほぼプレクス社製とそのパチモンなので、以下簡便のため、プレクス社製のチューナーを使用する前提で記述します。他のチューナーを使用する場合でも基本は同じです。>
(3) BCASカード (TS抜きチューナーには、基本的にBCASカードは付属しません)
(4) BCASカードが読み込める接触式ICカードリーダー

(Q3) 使用中のレコーダーは 4番組同時録画ができるが、TS抜きチューナーでもできる?

出来ます。TS抜きチューナーは複数チャンネル同時録画可能なものがほとんどですし1台のPCに複数台のチューナーを接続・運用できるため、1台のPCで10番組以上を同時録画することも可能です。

(Q4) その場合、BCASカードやカードリーダーも複数必要?

いいえ、1台のPCで運用する限り、BCASカード&カードリーダーは1組で十分です。

(Q5) プレクス社サイトを見たら、チューナーにカードリーダーが内蔵されているが?

内蔵のICカードリーダーは信頼性が低いのと、次のQ6で後述している理由により使用しないほうが無難です。定番の SCR3310 もしくはネットで調べて実績のあるカードリーダーを一台用意しましょう。

(Q6) 必要なソフトは?(Windowsの場合)

他にも選択肢はありますが、以下が定番です。全てネットからフリーで入手できます。
(1) TV視聴ソフト : TVTest
(2) 予約録画ソフト : EpgDataCap_Bon(EDCB)
(3) 動画エンコーダ : Amatsukaze (Automated MPEG2-TS Transcoder)
(4) 動画ファイル視聴ソフト : 何でも良いですが、私はVLC メディアプレーヤーを使用しています

なお、上記のソフトを動作させるために、縁の下の力持ちとして以下も必要です。
(5) WinUSB版ドライバ(px4_drv) : 有志作成のデバイスドライバ。メーカー製純正ドライバよりも品質が良い※ただし、このドライバはチューナー内蔵のICカードリーダーに非対応のため別途 ICカードリーダーが必要になる
(6) BonDriver :(5)のデバイスドライバと (1)や(2)のソフトの間を仲介するドライバ
チューナーの機種ごとに別の BonDriver が必要
これが機種ごとの相違を吸収して(1)や(2)のソフトが複数のチューナーを同レベルで扱えるようにしている
(7) Visual C++ などのランタイムライブラリ(Microsoftからダウンロード)

(Q7) 録画したファイルはテレビで再生できる?

可能です。やり方はいろいろあるかと思いますが、私は以下のふたつの手段を使用しています。
[1] Amazon Fire TV Stick に VLC Player や Kodi をインストールして NASに格納したファイルを再生
[2] Windows PCを直接 HDMIでテレビに接続して再生

(Q8) 録画の品質は?大手メーカーのレコーダーと比べてどうか?

TSファイルの状態のまま保管すれば、パナ機でいうところの DR録画と全く同じです。
容量削減のためエンコードした場合は使用するエンコーダーおよび設定次第になりますが、私の環境(SONY製 32インチ フルHDTV)で見る限りでは、もっともお手軽な Yadif でのエンコードでも、パナ製のHX録画あたりと比べてさして遜色は感じません。
高画質にエンコードする方法もありますので、そこは利用機器及びエンコードに掛けられる時間とのトレードオフになります。

(Q9) あとからチューナーを増設するって簡単なの?

上記のソフトを使っている経験上は、特に難しいことは有りませんでした。
特に同じ機種を追加接続する場合は、デバイスドライバなどの追加も不要なため、機器を物理的に接続して EDCB の設定画面から[チューナー数]を変更し再起動するだけで、あとはソフトが勝手に増えたチューナーを使用してくれます

(Q10) 高性能のPCが必要?

録画するだけであれば、大した性能は必要ありません。
私は Corei5(4570T)という10年以上前のCPUのミニPCを使っていますが10番組同時録画程度でしたら全然余裕です。
実は、PCに負荷がかかるのはエンコードの方です。こっちはモロにPCの性能によりかかる時間が変わってきます
ただ、録画したファイルを NASにコピーして、連動した別の高性能PCにエンコードだけ任せるといった運用も可能です
別に時間がかかっても構わないならのんびりエンコードさせれば良いと思います。
このあたりは、人それぞれですので、やる前にゴチャゴチャ考えずに、まずトライしてみて自分が許容できる組み合わせを試行錯誤するのが良いと思います。

まあ他にもイロイロありますが、とりあえずこの辺で。
ほかの疑問やリクエストあればコメントください。

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